オタクの叫び場

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どうしよう、ETERNAL熱が冷めない

どうしよう、ETERNAL熱が冷めない

 

当ブログを開いて頂き、ありがとうございます。

当ブログは『舞台ETERNALについての感想』を今更ながら書き連ねているだけのブログとなります。

ストーリーの流れに沿って感想・考察を入り混ざりながら書いてしまった為、めちゃくちゃ長くなってしまいました……それもあって、舞台パートのみの感想となってます……すみません。

大変読みづらい点も多々あるかと思いますが、最後までお付き合い頂ければ幸いです。

 

○.。*・°○・*。●.°・。*○.。

 

舞台ETERNALが閉幕して約1年4ヶ月。

その続編ETERNAL2が閉幕となって約5ヶ月となった今。

割と結構な月日が経とうとしているものの、私は中々ETERNAL熱が冷めやらない日々を送っている。

MaBを聴けばリーフェン・リーマーの顔やダンスが浮かび、あの世界の『幸せ』『平和』について考えると頭を本気で抱えてしまうレベルでETERNALに脳みそが侵食されている。冷静になって文章に書き起こすと、かなりヤバな人間である。

最近じゃ、リーフェンに会う為にゲームも始めてしまった。(それはIIKOTO)

最早『ETERNALの面影を追いかけ回す亡霊』と化してしまった訳だが、折角なので亡霊なりにETERNALの感想のような議事録的なものを今更ながら書き起こしてみようと思う。

 

◇舞台ETERNALを観るに至った経緯

まず、初演である『舞台ETERNAL』の中身に触れる前に、私自身が観るに至った経緯的なものも議事録の為に書き起こさせて欲しい。

私が本作品を観ようと思ったのは、推しである藤原樹が居たことは勿論のことだが、RIKUさんが初主演・初舞台という大きな晴れ舞台が用意されたからだった。

素人ながら「RIKUさんの歌唱力なら、ミュージカルの舞台にも立てる!」と前々から思っていたのもあったし、何かと「自分には歌しかない」と話す彼に自信が持てるステージが私は欲しいと心から思っていた。

そんな時に発表された『舞台ETERNAL』。

彼に用意された大きな舞台に、とても嬉しかった。

それに、他メンバーにも舞台初経験者がおり、新たな一面が見れるのかと思うととても嬉しかったし、推しである藤原樹が、実質準主役であることも嬉しくて泣いてしまった。

しかし、当初予定されていた公演はコロナ禍により中止。

日々舞台稽古に励むメンバーをインスタやブログで見て、応援していたこともあって『中止』という事実はとても悲しかった。メンバーからの謝罪の言葉を見た時は、今思い出しても泣けてしまうくらい悔しいと感じる。

「どうにかしてメンバーや、他の演者さん、演出家さんや脚本家さんたちの努力が報われてほしい!」

その一心で再演を熱望した。

そんな皆からの想いは、運営にしっかりと届いたようで、9月に3公演することが決定。

発表時、私は現地に居なかったがRIKUさんが泣いていたというレポを見かけた時には、私もめちゃくちゃ泣いた。皆の努力が報われる機会を与えられたことが、とても嬉しかった。

でも、そういう気持ち反面、どこか不安な気持ちもあった。

それは、出演するメンバーに対する不安ではない。

『某O氏が関わってる身内朗読劇』の、あの“身内だから”みたいな雰囲気のある舞台だったらどうしよう、といった不安だった。(どうしようもクソもないけど)

こればかりは『何でも楽しむ!』ということが出来ない私の悪い癖のようなものからくる不安なので、本当に申し訳ない。

そんな私の感情を一瞬にして抹消させたのが、舞台ETERNALの主題歌『Moon and Back』(以下『MaB』記載)だ。

MaBの楽曲が配信されて、私の悪い癖からくるマイナス的な考えは直ぐに改めた。というか、改めざる得なかった。

MaBを浴びた私は、

 

「ガチなやつ来ちゃったのでは?」(※そうです)

「もしかして、樹さんがやるキャラクターってラスボスなんじゃない?」(※そうです)

「樹さんのやるキャラクター死んだりしないよね……?」(※ゲーム版では死にます)

「リーフェン、まさかお父さん殺してるとか……いやそんな地獄展開まで用意されてないよね!」(※用意されてました)

 

という考えで頭がいっぱいになったザマである。

上記思考が後に全て的中することとなるのは後半で話したいと思うが、からして伝わるガチ感に私は震えざる得なかった。勿論それはいい意味で。

絶対に好きなタイプのストーリーだと思ったからだ。(根っからの考察系重めストーリー好き)

こうもなれば、話は違う。ひとまず私は、配信を全て即購入。

公演が近付いてくると「本格的な殺陣、ストーリーである」という声も聞こえてきて、ワクワクが止まらなかった。

そして、遂に私は念願の『舞台ETERNAL』を配信で観ることとなる。

 

◇舞台ETERNALを観ての感想

〜プロローグ & OPについて〜

その日、私は仕事を早々に終わらせて、舞台ETERNALを観ていた。

子役の男の子たちを観た時には「子役の子たちまで用意してくれる舞台なんだ……」と、舞台のガチ感を更に感じたし、何よりも子役の子たちの演技がうま過ぎる。

私は一気に『ETERNAL』のストーリーに引き込まれていった。

リーフェンを慕う泣き虫な弟のレンブラントと、口は悪いが面倒見の良い兄のリーフェン。そして、従者のスチュアートと、リーフェンとレンブラントの父であるヘンドリック。

父・ヘンドリックは、兄であるリーフェンに厳しい姿勢で接しており、リーフェンはそんな父に対して反抗的な姿が印象的であった。当時の私は「反抗期のリーフェン、可愛いな」なんてクソ能天気なことを考えていたのだが、幼少期のリーフェンの戦いはもう既に始まっていたんだと今になって思う。

そして、ストーリーは『城に敵が攻め込んで来る』シーンへ展開して行き、幼いレンブラントは兄のリーフェンと父のヘンドリックと離れ離れに---。

ここまでのストーリー展開で、最早私はかなりの満足度を感じていた。自分の中の期待値を既に超えていたからである。

そう思った束の間『サァァ……』というイントロと共に流れたMaB。「お兄ちゃん!」と叫ぶ小さなレンブラントと入れ替わるように出てきたレンブラント演じるRIKUさん。

私はもうこれだけで涙腺崩壊した。

一体何処に涙腺がやられたのか分からないのだが、ここで初めて「あぁ、ようやくETERNALの幕が上がったんだな」と実感出来たんだと思う。

キャラクター紹介と言わんばかりにキャラクターたちがMaBに合わせて出てくるのが、アニメのオープニングみたいでかっこよかった。

そして、誰もが好きであろう慎さん演じるクロエのサビ前の音ハメ!

あれを見た時、高揚感が半端じゃなかった。あんなに気持ちのいい音ハメが存在するだろうか。(あそこの部分が好き過ぎて、配信が切れてしまうギリギリまで何度も見返した。)

そして、何よりも隠し切れない『殺陣の本気度』(?)に、始まって早々気分はスタンディングオベーションだった。

 


「かっこいい人がやる殺陣はやっぱりかっこいい!」

 


まるでIQがZEROの感想である。

小学生でも言える安直過ぎる感想だが、元々アニメオタクであった私は、この『キャラクター紹介』とも言えるオープニングシーンに大興奮、大歓喜だった。

「なんて作り込まれた舞台なんだ……LDH……やれば出来るじゃん……」とも思っていた。

そして、藤原樹さんが演じるリーフェンとRIKUさんが演じるレンブラントが、すれ違うかのような演出で出て来た時は「うわ〜〜〜ッ(泣)」と叫びかけた。決して再び兄弟として向かい合う時は来ない、と言わんばかりのオープニングに「最初からクライマックスじゃんか!(泣)」と感情が昂る。※まだオープニングでこれ

サビ部分ではリーフェンだけ上段ステージで踊っているものだから、『リーフェン・リーマーは本ストーリーの黒幕確定』と謎に確信をしていた。

でも、どういうストーリー展開で黒幕として出てくるのか。それが楽しみで仕方がない…と思っていたタイミングでオープニングが終わる。このオープニングはあと五万回は観るだろう。

 

〜序章場面について〜

再びキャラクターとして出て来たのは、レンブラントとルークだった。

主人公ピッタリな声のトーンでレンブラントとして話すRIKUさんを観て「本当にこの人演技初めてか?」と思わず疑ってしまった。だって、想像していた『初演技』とはめちゃくちゃに程遠かったから。

主演に相応しい堂々とした演技、はっきりとした声。

本当にRPGに出て来そうな『王道主人公』のような姿に、RIKUさんの並々ならぬ『努力』を感じた。

そして、岩谷翔吾さん演じるルークは如何にも『お堅い真面目キャラ』というのが話し振りからして良く分かる。翔吾くんの舞台演技を観たのはこれが初めてだったが、とても台詞が聞きやすくて驚いた。舞台映えをするタイプのお声だと感じた。

続いて出て来たのはクロエとジーン、そしてキャメロン。

品の良い顔立ちの慎さんが、喧嘩口調というだけで心躍ったが、オマケに素行もよろしくないと来た。最高。

ジーンに関しては、何だあのセクシーな格好は?が第一印象。長いグリーンの髪の毛を靡かせて話す姿は、色男そのもの。でも、下品じゃない。美しく、綺麗な色男なのだ。推しである樹さん演じるリーフェンを抜きにしたら、ダントツでジーンが好きかもしれない。とにかく美しい。

それを演じる昂秀くんの『演技の幅広さ』を感じた。最高。

最後に陣さん演じるキャメロン。あの陣さんが臆病で弱虫なキャメロンをどう演じるのだろうと思っていたが、ちょっと待って欲しい。

 

貴方も初舞台って本当なんですか?

 

普段の陣さんの『じ』の字もない、キャメロンというキャラクターが『 そこに居た 』。陣さん特有の(?)ハの字眉がこんなにも活きてくるもんなのかと謎の感動を覚えたし、何よりも演技が思っていた以上に自然。違和感がない。観る前に感じていた不安も最早何処にもない。

テンポ良く進んでいくストーリー展開に「なんて観やすい舞台なんだろう……」と感動もしてしまった。

そんなストーリーの笑い要素として織り込まれる『新入社員・キャメロンに無茶振りをするルーク様』(日替わり)は、中々に無茶振りが過ぎてキャメロン及び陣さんに拍手してしまった。レンブラント様一切笑わんのによく頑張ったと思う。偉い。

そういった笑いもあるストーリーであったが、基本的にはずっと争い、争い、争いの連続。本当に戦いの絶えない世界の中、彼らは必死に生きているんだというのが目に見えてわかった。

そんな中時折目立ったのが『レンブラントの純粋』な部分や『優しい』部分。

純粋で素直な一面に皆惹かれたり、彼の目指す夢に賛同して仲間になっているひとたちは多いと思う。

でも、この世界においての『純粋さ』や『優しさ』は、時に「甘いな」「残酷だな」と感じたりもする。本当に悲しい。

例に、場面は少し戻るが、様々な事情や境遇によって聖なる誓約団の元へやって来るひとが大半にも関わらず、キャメロンに対して「帰ってその剣で大切な人を守れ」(曖昧)と言うシーンがあった。きっとレンブラントは、多く血を流したくないといったような『優しさ』からくる気遣いだったのかもしれない。色んなことを瞬時にたくさん考えて、気を擦り減らして気配りをせざる得ないレンブラントを思うと、本当に苦労の絶えない人だと思う。

でも、様々な事情を抱えてやって来るひとが居るというのを知りながらも、そういうことが言えてしまうレンブラントに私は「残酷だな……」と感じてしまった。

それに、聖なる誓約団の元に集まって来たひとたちにとってオルドは『敵』。レンブラント自身も「オルド軍は殲滅するが、その中の過程で争う旧教徒の人間は殺さないようにしたい」といったようなことも口にしている。

オルドは仇であるとは言え、元を正せば人間がオルドを追い出さなければ……と彼らが生きる歴史を恨まざる得ない。先祖たちが遺していった『負の遺産』を抱えて生きていかなければいけないレンブラントたちを思うと、ファンタジーの世界なのに何処か他人事ではない……そんな気持ちにさせられた。

 

〜リーフェン登場場面について〜

客席側に背を向け、フードを被っての登場に私は思わず「王…………………!?」と錯覚してしまった。早とちり錯覚幻覚癖のあるヤバオタクの特技を早々にリーフェン様の御前で発動(?)してしまい、自宅で観て良かったと思う。さもなくば、リーフェンの御前で跪いてしまうところだった。キモすぎる。

そして、こちら側を向いて話し出すリーフェンに私の感情は「可愛い〜〜〜!!」でいっぱいいっぱい。

 


フード似合ってる! 可愛い! リーフェン様美しい!! かわいい!!

 


フードを被るリーフェンに対し私はキャッキャとしていたが、その束の間

 


「下がれと言ったんだ」(オルド兵を刺す)

 


冷酷冷徹に放たれた言葉と共に飛び込んで来た『リーフェンが容赦なくオルド兵を刺す』衝撃的シーン。

2秒前くらいまでは「かわいい!」と心躍っていた私は何処へやら。リーフェンの冷徹さにすっかりブチ刺されて着席してしまった。もしかしなくても、刺されたオルド兵は私だったのかもしれない。無礼をお許しください、リーフェン様。

思わずそういう気持ちにさせてしまうくらい、リーフェンを演じる藤原樹は凄かった。

普段の樹さんを纏う柔らかな雰囲気は微塵もない。

 


そこに居たのは『 冷徹冷酷、残虐なリーフェン・リーマー 』だった。

 


正直、驚いた。

樹さんの演技に対し、こんなにも早く振り幅を感じられる日が来るなんて。

こんな『如何にもラスボス感のある強キャラ』を重厚感を持って演じられる樹さんのポテンシャルの高さにも驚いた。

そんな彼のリーフェン・リーマーの完成度の高さを見て、ほんの少し泣きそうになってしまった。本当涙腺緩々オタク。

本当再演して良かった。再演を機に稽古期間をしっかり取れて良かったと思った。

 

〜リーフェンとの再会・ルークの裏切り〜

ここのシーンは、レンブラントがリーフェンと再会し、戦うシーンと族長ウォーレンとの戦い、騎士スチュアートの戦いは同時進行で行われるという中々に観るのに忙しいシーンだったと記憶してる。(いかんせん円盤がないので、記憶が曖昧なのを許してほしい。)

まず、レンブラントがリーフェンと再会をするシーン。

 

「懐かしいか? よくここで走ってスチュアートに叱られた」

「大きくなったな。ずっとお前が来るのを待っていた 」

 

そう昔を懐かしむリーフェンの声色は優しく、生きる世界がここじゃなければ『感動の再会』となっていたんだろうと思う。

でも、そうはさせてくれず、リーフェンはレンブラントに「お前を殺さぬことには、私は王になれない」と剣先を向けた。リーフェンがレンブラントに話す内容のその中には過去に父親を殺したことについても話していて、私は観る前に「こういう話しだったら地獄だな〜!」と思っていたことを思い出す。まさかと思っていた地獄の展開が、本当に目の前に広がっていた。

 


なんてこった……あの頃にリーフェンは父親を殺してしまっていたんだ……

 


父とリーフェンの間に生まれた深い溝は埋まることがなかったのを物語っていて、とても胸が痛くなった。

もう戻れないところまでリーフェンは来てしまっていた。

この数年の間、リーフェンは王になる為にたくさんの犠牲を払ってきたんだろう。それがリーフェンの生きる意味なんだ……。

重たい。想像以上にリーフェンの人生、めちゃくちゃに重たい。

そんなリーフェンを演じている樹さんは、何を思ったんだろう。

リーフェンの人生に打ちひしがれ始めた最中、所々私は樹さんの口から発せられる『超絶上から目線発言』にも別な意味でも打ちひしがれていた。

 


「……ここで薄汚い頭を地面に擦り付けるならば、命だけは助けてやる」

 


ここで!? 薄汚い頭を地面に擦り付けるならば!?!!? 命だけは助けてやる〜〜〜!?!!?

あの藤原樹さんの口からこんな台詞が飛び出してくるなんて……なんて貴重な………(?) 樹さんは育ちが良いからか、乱暴な口調で話すことはほぼないに等しい。

だからこそ、リーフェンの高圧的な台詞に沸く私と、リーフェンの人生にやられている私でめちゃくちゃになった。

 


も、もっとそういう台詞頂戴〜〜〜!!!

 


本当にキモいオタクでごめん。でも、あの気品溢れる顔であんな台詞は正直沸きざる得ない。

そん中(?)始まる戦闘シーン。待ちに待った殺陣のシーンだ。

前々から私は体幹がしっかりしている樹さんに剣や刀を使った殺陣をして欲しい!と思っていた。だから、舞台で彼の殺陣を観れることをとても楽しみにしていた。

その期待を裏切ることのない綺麗な剣筋、剣を振るった時にブレない身体。

夢にも見た藤原樹さんの殺陣を観れて、最早脳みそが喜んでいた。

綺麗、もっと見たい……。綺麗だけど時折入る足癖の悪いリーフェンの戦い方に私は大いに沸いた。

 

こんなに綺麗で圧倒的な強さを持っていながら、足癖が悪い!!! この王族、気品あるのに足癖悪い!!!!! 最高!!!! 最高だ〜〜〜!!!!!!

 

もう本当に元気満々拍手喝采である。

家で観ていたから最早応援上映と化していた。リーフェンは敵なのに。

それくらい『リーフェン・リーマー』という男は私にグッッサリ刺さっていた

その戦いと同時に繰り広げられていたスチュアート戦、ウォーレン戦もとても新しい要素を取り入れていた戦いで見ていて面白かった。

まず、スチュアートと戦うこととなったクロエとキャメロンについて。

戦いの前に、スチュアートはクロエに関する情報をかなりペラペラと話すので「えっ?この人めっちゃ調べ上げてきた情報喋りまくるじゃん」と思った。クロエも「えっ? なんでこのおっさんそんな詳しいん?」って不思議がっていたくらい。めっちゃ当たり前体操。

そういう「えっ? なんでそれ喋っちゃった?」ってところがなければ、スチュアートはめちゃくちゃ従者として優秀だったんじゃなかろうか。まぁ、あれは完全に『ストーリー進行をスムーズに行う為の説明係』を担ってくれたんよな、きっと。(突然のメタ発言)

とは言え、スチュアート役の姜暢雄さんの演技が凄まじく上手すぎる。上記で書いたおしゃべりおじさん要素など気にもならない程に、演技の迫力に圧倒された。

耳にすんなりと入る台詞は、スッとストーリーが頭に入り、胸にストンと発言したことが落ちていく。

それは、ヘンドリック公を演じた加藤雅也さんもそうだった。威厳を感じる声色と、何処か落ち着きを感じる声のトーン。声、話し方ひとつで父親さをも思わせる演技力は、流石だなと感じた。

そんな凄いキャストさんたちに囲まれて演技をすることが出来た『舞台ETERNAL』という場。ありがたいな、とめちゃくちゃに思った。

スチュアートとの戦いも見ものだったと思う。クロエとキャメロンの2人がかりで戦っても全く倒せそうもないスチュアートの『強者感』は堪らん。

RPGや少年漫画でもよくある『一度は負ける強い相手』だ。舞台を観ながらも、ゲームのプレイヤーになったような感覚を味わえて凄く楽しかった。クロエとキャメロンは負けてしまうけども。

でも大丈夫! 次は絶対勝つから!(メタ)

そのゲーム感をより感じたのは、ジーンとルークが戦っていた族長ウォーレン戦だ。

舞台という生モノでありながら、CG? 映像? を用いた戦いに素直に「めっちゃ新しい〜!? 何だこれ〜!?」になった。こういうのもありなのか、すごいよなぁ。

映像と動きを合わせる、というのは、人間と殺陣をするよりも難しそうに思える。一瞬でもタイミングがズレると世界観そのものが崩れてしまいかねない。

そう思うと、昂秀くんと翔吾くんは『殺陣』というものと共に、新たな難しいことへの挑戦もしていたんだなぁ……と思った。本当に一つの作品でどれだけのポテンシャルの高さを見せられればいいんだ。素晴らしい、ありがとう。

そんな3つの戦いが同時進行をしているという目が足らん案件シーンも、リーフェンがレンブラントに剣を振り下ろすところで暗転となる。

 

「お前さえ……お前さえ居なければ!」

「死ね!!!!」

 

リーフェンの憎しみが混ざる悲痛な叫びは、ただひとりの弟に向けられている。父親への恨み、悲しみは父を討っても消えなかった。その矛先がレンブラントへと向いてしまったんだと思うと切なく思う。

父はリーフェンを愛していなかったのか。

舞台が終わった今も時折このことを考える。でも、いつも行き着くのは『父はリーフェンを大切に思っていた』という答えだ。

ただ、愛情を伝えられなかった、伝わらなかったんだと思う。その結果が『今』だとするなら、やっぱり先代が遺してきた『負の遺産』の代償は大きいなと思ってしまう。

そんな色々と考えさせられるシーンを一掃させたのは、ルークの「レンブラント様ァ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」というクソデカ声だ。本当にクソデカな声だった。岩谷翔吾ってそんなおっきな声出るんだ、と思ったくらい。

そんで目を覚ますレンブラントレンブラントだ。主人公POWERとは言え、お前の生命力どうなってんのや。

聞けば、あと数ミリ斬られる場所がズレていたら死んでいたそう。

リーフェンはレンブラントにトドメを刺せなかったんだ。

「やっぱり兄だなぁ、甘いなぁ……」と思った。どれだけ弟を恨んでいようと、何処までいってもレンブラントは『ただひとりの弟』。悪人になりきれないリーフェンは、さぞ辛いだろう。

そこから話しは、スチュアートがクロエの弱点に関する情報を持っていたことについてに移っていく。内通者が居るからスチュアートはクロエの弱点について知っているのではないか、という点について誓約団メンバーは意見が割れる。

その時のルークの表情は暗かった。レンブラントに内通者がルークではないか、と指摘されてからもずっと。

レンブラントが幼かった頃からずっと『裏切り』を続けていたルークは、自分自身も幼い頃から罪の意識を潜在的に感じながらもレンブラントの前に居たのかと思うと辛く感じてしまう。

レンブラントだけじゃない。自分の信ずる神すらも欺いてきたのかと思うと頭がおかしくなる。

一体彼はどんな気持ちで旧教の教えを胸に、神に祈りを捧げていたのか。

また、初めて仕えたのがリーフェンだとするなら、その『初めての主』が目の前でどんどん間違った方向へ歩んでいくのを長年見て支えていかなければいけなかったルークを思うと「じ、地獄だ………」と思ってしまう。

後にルークはリーフェンも欺いていることが分かるが、そうなるとリーフェンもレンブラントも自分の信ずる神をも裏切っていたことになる。

 

それを岩谷翔吾が演じているなんて……本当、岩谷翔吾ってこういう役………似合うんだよなあ……(?)

 

オタクが背負わせたい業の深さを岩谷翔吾が背負ってくれて、正直私は「ウワァ〜〜〜ッ!! 似合うーーーーーーーー!!!!」と歯軋りした。いや、本当にこういう役似合う。うん、もっとやろうか。(だれ?)

そして、レンブラントは家族だと思っていたルークの裏切りや、長年探し求めていた兄・リーフェンが黒幕であることを背負っていかなければならない。

兄を迷わず倒せるのか、ルークとの別れを思い悩む時間は彼にない。

私がレンブラントだったら、もう消えたなくなりたいと思ってしまう出来事だが、レンブラントにそれは出来ないのか……と思うと、中々「レンブラントは甘い」の一言で片付けられないと思った。

 

〜スチュアート戦時のクロエ・ジーンについて〜

スチュアート戦と言えば、涙なしでは話せん『クロエとジーンの関係性の良さ』が出るレンブラント以外瀕死となるシーンがある。

そこで垣間見れる彼らふたりの関係性の強さに私は涙せずにいられなかった。

ここで少しふたりの関係値について、個人的考察をさせてほしい。

貧民街出身であるクロエとジーンのふたりは、幼馴染と言うほどの長い付き合い。幼ながらにして家族を失っているふたりにとって、お互いの存在は血の繋がりはなくとも兄弟そのものなんだと思う。

所々、ジーンには『クロエの危なっかしい部分は自分がカバーする』というようなところが見受けられる気がする。戦い方然り、クロエが傷付けられた時の反応然り、彼はクロエのことを常に気にかけていた。

逆にクロエがどうだったかと言われれば、ジーンのことを大切に思っているのは勿論だが、誓約団全体を大切にしているように見える。

それに彼は『強さ』に固執してるところがあるから、ジーンの気遣いに気付いていない可能性もある。そういう鈍感さもあるからクロエは可愛らしいなと私自身思っているし、ジーン自身「特に自分の気遣いに気付かなくても良い」と思ってそうだし、そこら辺の見返りは求めてないんだと思う。

普段飄々としている女好きのジーンがこんな感じなのだから、マジで沼だなと思ってしまう……ズルい男だ……。

それを踏まえ、スチュアートに傷付けられたクロエを見て激怒したジーンのシーンである。

 

「これ以上、俺の大切なモン奪うんじゃねぇ!」

 

円盤がないからセリフが曖昧なのはご了承願いたいのだが、ここのセリフを聞いてジーンにとってクロエは大切な人なんだ……」と号泣してしまったし、普段ジーンはあんなに飄々としているのにこれまでにたくさんの大切なものを奪われて、傷つけられてきたんだと思うと涙が滝のように出てしまった。

極め付けは力尽きたクロエに、最後の力を振り絞って何とか側に行こうとするジーンでおしまいになってしまった。そして、クロエの手を握ってジーン自身も力尽きてしまったのを見て「も゛う゛や゛め゛て゛え゛ーーーーッ゛」とワンワン泣いた。オタクも瀕死。

 


こんなはずじゃ……こんな……なんで………(涙)(涙)

エターナル、こんなクソ重たい話だったんか………(涙)

 


もうボロボロに泣いていたオタクだが、キャメロンも力尽きるところも見てしまって箱ティッシュ使い切るところだった。

その後にレンブラントが歌う日本語バージョンのMaBがまた良……。泣きつつも安定の歌唱力でこちらの涙を再び誘うRIKUさんに拍手したくなった。日本語バージョンのMaBどうか配信してくれえ……

 

〜最終決戦・リーフェン戦〜

場面は最終決戦のリーフェン戦へ移る。

スチュアートを倒してやって来たレンブラントが聖剣を持っていることにリーフェンは気付く。そして、「コーレイン家の者が口を割らなくてなぁ」と引き摺り出すかのようにリーフェンがルークを連れて来た時は、思わず「リーフェンのことも裏切っていたの……!?」と驚愕してしまった。

でも、今思えば「闇堕ちしたリーフェンを救い出すには最早レンブラントしかいない」とルークは思って、自身を犠牲にしてまでもリーマー兄弟を引き会わせたんだろうと私は思う。勿論、レンブラントと過ごしている中で、王に相応しいのはレンブラントであると思ったからこそ、レンブラント側につくことを選んだということもあるかもしれない。

だとしたら、ルークはこんな回りくどいことをしないで、闇討ちなり何なりしてリーフェンを殺していたっておかしくない。

それをしなかったのは、少なくともルークの中に『リーフェンを救いたい』という感情があったからではないか。リーフェンを裏切る形になってしまったけど、ルークに残された道はそれしかなかったんだとすると、彼も彼で生きてきた人生がかなり地獄過ぎる。世が世じゃなければ、ルークは裏切りたかったわけじゃないんだと思っているから。

そんな彼をリーフェンは「用無しだ」と斬り捨ててしまうのもまた辛いが、リーフェンはここで本当の『独り』になってしまったことも辛い。

ひとりでは王になれないはずなのに、リーフェンは聖剣と聖杯さえ揃えば王になれると信じている。壊れた王座に座っても、直ぐに崩れてしまうってことにリーフェンだって馬鹿じゃないから気付いていると思う。

私は、何かに取り憑かれたように「誇りを取り戻す」と言ったり「私は王になれる!」と言ったりするリーフェンを見ていてとても辛かった。

そして、私の心は「王にならなければ、生きる価値のない者」「人間は信じ難い裏切りをするものだ。どんなに心を許した相手でも。……それが、実の父親であってもな」というセリフにトドメを刺された。

 


リーフェンは、人からの愛情を感じたことないんだ。

 


まだ全然泣く場所ではない筈なのにそう思ってリーフェンの人生に『強い孤独』を感じて泣いてしまった。涙脆すぎる。

でも、私はとっても単純な女だったので、リーフェンが

 

「我は、ロッツフォート公国正統後継者、リーフェン・リーマーだ!」

 

と名乗りをあげて戦闘シーンに入るところを見た時は「めっっちゃゲームみたい!!!」と大はしゃぎした。情緒が本当にジェットコースターオタクである。こういうちょいちょい入るゲームのような演出にとことん弱過ぎる。オタク、こういうの大好き。

そしてまたリーフェンが「愚弟が!」「無駄口を叩く余裕がまだあるようだなァ……!」と罵倒(?)セリフを言う度に削られた心のHPが回復していった(キモい)。

そんな回復していったHPは早々に削られることになった回想シーンが挟まってくる。

それはレンブラントの「にいさんは……誰の為に、何の為に今生きてるんだ!」というセリフがあって発動(?)されるリーフェン母とリーフェンとの回想シーンだ。

リーフェンの母は幼いリーフェンに対し「リーフェン……! 王になれると思って育てて来たのに!」と悲痛に叫んだシーンがあった後に、すぐリーフェン母が幼リーフェンの目の前で飛び降りをするシーン。

あまりに地獄レベルがハイ過ぎて、開いた口が塞がらなかった。

 


えっ? 本気? ここまでするか? ETERNAL(しんど過ぎたオタク575)

 


リーフェンが王になることに対し、ここまで執着していたのは完全に『母親からの言葉の呪い』が原因じゃんか。

リーフェンは母からの期待に応えたかったんだ。リーフェンは母親の為に生きていたんだ。

あまりに、実の母親からの「王になれると思って育ててきた」発言は酷過ぎやしないか。子は母から愛をもって育ててもらってると信じてるはず。それが、そうじゃないと多感な時期に言われたらと思うと本当にゾッとしてしまう。

そのゾッとしてしまうことがリーフェンの過去としてある事実に泣いた。

リーフェンは王になれば、母は自分を愛してくれると思ったんだろうか。

私が言われた訳ではないのに、リーフェン母のセリフら物凄く胸に深く突き刺さった。もう瀕死。苦しい。

その回想がトリガーと言わんばかりに、リーフェンも酷く取り乱し始めるのを見て苦しさは倍増した。

リーフェンはひとりで強くなるしかなかったんだ。誰にも頼れなかったんだ。味方が居なかったんだ。家族でさえ、味方じゃなかったんだ。

父を殺しても尚収まらなかった行き場のないリーフェンの寂しさや、苦しみや、悲しみは弟であるレンブラントに全て向いた。

リーフェンの「お前さえ……お前さえ居なければ!!」のセリフは聞いていて胸が痛い。

もう誰かリーフェンを抱き締めて止めてやってくれ。

そんな中、レンブラントの危機にルークが身を挺して守り、リーフェンとレンブラントに真実を話すこととなる。王である父はリーフェンに国王を継がせるつもりでアミュレットを渡していたこと、聖剣と聖杯の他にアミュレットも必要であったということ。

私がリーフェンならここで「え〜〜〜〜〜〜!? なんでそれ今言うーーーー!? もっと先に言ってーーーーー!? 戦争ブチ起こしちまったし、父滅してしまったが〜〜〜!?」って叫び散らしていたが、リーフェン様は高貴な方なのでそんな真似は勿論しない。というか、衝撃の事実過ぎてそんな元気もなかったんだと思う。

つまりリーフェンは、周りの大人たちに振り回されてしまった結果、手にかけなくていい筈だった父親を手にかけてしまったということになる。それだけじゃない、これまで歩んできた中で踏み外してきた道も汚してきた手も、言うたら『全てが無になるくらい間違いだった』ことにもなる。

周りの嫌な大人たちの思惑の所為で、リーフェンの人生はめちゃくちゃになってしまった。

そんなことってあるか? ひでえよ……あんまりだよ……。

滅多刺しにされた心がもう再起不能になりかけている。

レンブラントがリーフェンに語りかける曲の最中に出てくる回想がまたしんどい。

幼かったリーフェンが想い描いていた理想と、現在のリーフェンの理想がもうかけ離れてしまっているという事実。そのことにリーフェン自身も気付いて、戦意喪失をしてしまった。あんなに堂々としていたリーフェンの姿はもう何処にもなく、あるのは全てを失ってしまったリーフェンの姿だけ。

不思議と小さく見える身体は、全てのものが抜け切ったように見えた。

そして、そんなリーフェンにレンブラントは袋を渡し、聖杯を置いて去っていく。きっと、レンブラントは『ふたりで国を創りたい』というメッセージをリーフェンに残したのかもしれない。

最後はリーフェンが袋からパンを取り出し泣き崩れ、リーフェン戦は幕を閉じる。

始めは正直「リーフェンのこれまでの人生をパンひとつで清算できると思うなよ……」などと過激なことを思っていたが、とある聖書では『パン』という食べものは『他を救う恵みのもの』のような感じで書かれていることもあるので、もしかしたらリーフェンは本当に救われたのかもしれない。

リーフェンが幸せならヨシ!(旧教徒リーフェンオタク)

 

〜エピローグ〜

ラストパートに差し掛かって誰しもが思ったことかもしれないが、

 


死んだと思っていた誓約団の皆生きてたんか〜〜〜い!!!

 


めっちゃ死んだかのような演出だったので、スチュアート戦はベチャベチャに泣いたのだが、このラストパートでみんな割と元気そうでめちゃくちゃ笑ってしまった。

あの時流した大量の涙は………一体?

しかしまぁ、裏切ったルークをあたたかく迎え、皆んなが楽しそうに笑っているところを見たらそんなこともどうでもよかった。

みんな幸せならヨシ!!

 


とは言え、レンブラントは王にもならず、建国もせず、リーフェンもあの後どうなったかもわからずに終わってしまったので、当時は「終わ………った!?!!!?」になったが、舞台としての満足度はえらい高かった。

ありがとう、ETERNAL……ありがとう葛木先生……。

 

 

◇最後に

まず、ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました。

書いている途中で「もういいかな……」とか諦めそうになりましたが、割と終盤まで書き連ねていたこともあり何とか終わりまで漕ぎ着けました。

本当にETERNALは良作ですし、より多くの人に見てほしいので早く円盤化になって欲しいですね。

 


あ〜〜〜あ! 今年のETERNALも楽しみだなあ〜!(まだ何も決まってない)